!!! 公共サービス -- 日々雑感(毒入り) 先日、消防署に勤める友人がこんな事を言っていた。 「(某写真雑誌の記事を指して)またこんなアホな事言いやがって!」 その記事とは、那覇の消防署員が消防車でスーパーに乗りつけて買出しを行なっている写真が大々的に載っていた。 「最近お役人の不祥事が続いてるから、何でもかんでも記事にする。消防車で買出しに行っちゃ悪いのか?」 彼の言い分ももっともだと思う。消防の仕事は例え食事の最中でも極めて短時間で現場に出動しなくてはならない。例え飯を食っていようと、便所に入っていようとである。消防車には無線機も積んであり、どこにいて何をしていようが出火報が流れたら駈け付けなくてはならないのだ。 「じゃあ何かい?消防車で買出しに行っちゃいけないというのなら、買出し用の車を用意してくれるのか?それとも俺等に飯も食わずに働けって?」 結構お怒りである。 で、文章のしまいには「市民の税金で購入された消防車を……」である。友人はついにブチ切れした。 「市民の税金、税金って言うけど、いいんだよ、別にうちらは株式会社にしたって。その代わり出場のたびに料金取るけどね。火事を消し終わった後で、『消防車X台、人員X人、時間X時間、で、これだけの機材を使って消し止めたからXXXX円ね、』って。でもそれじゃあ貧乏な人とか困るじゃん?『貧乏だから消防呼べなかったので周りの家も巻き添え食って燃えました』とか、『お金が無かったので救急車呼べなかったからおじいちゃん死んじゃいました』とか。 それじゃあ『公共サービス』じゃないじゃん。『公共サービス』なんだから誰にでもうけられるように税金から給料もらってるんだから。『税金払ってるんだ』ってわけのわからないことまでゴチャゴチャ言うんじゃねえ!『公共サービス』だよ『公共サービス』。 ……いいんだ。この出版社のある所【うちの会社(注)彼は自分の勤めている所をこう呼ぶ】の[担当]だから、俺がそこの配属になってXXXXのビルが火事になったら燃え尽きるまで見守っていてやるよ。」 彼の言う事は一理あると思う。 最近の警察不祥事やお役所の不祥事にしても、よくよく読んでみると腐っているのは「高官」である。下っ端役人達は彼等のせいで被る事になった罵詈雑言の中で自分たちの職務を今日も必死に遂行しているのだ。 交通整理の警官に向かって「不祥事警官!!」などと罵声を浴びせる人間は自分たちの平和を一体誰が守ってくれているのか、よくよく考え直して欲しい。 納税しているだけで感謝の心を忘れている人間にはきっとそのうち天罰が下るだろう。