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毒入り-2000年5月8日

GWスペシャル!頭を染めてみよう!!


ゴールデンウィークに会社始まって以来という大型連休が取れる事になった(9日間!)
実は私は会社員の分際で往年の「金八先生」に並ぶぐらいの長髪にしていたのだが、さすがに2年連続で暑苦しいまま夏を越すには根性が足りなかったので切りに行くことにした。

が、ただ切りに行くだけでは面白くないので、社会人としてはなかなかできない「色頭」にチャレンジしてみた。いわゆる「染めた頭」である。
ただ、私は相当へそ曲がりで、「やるからには普通の人がそうそう真似できないように徹底的にやる」事を決意し、「ちょびっと金髪」ではなく、非自然的な色にしてみる事にした。

行き付けの床屋(カットハウス?!)に行き、最初緑にしてもらおうと思った。すると床屋のお兄さん曰く「マジですか?!」。緑だとなかなかド派手な色になってしまうらしい。身近な例ではポリバケツの様な容器に入った「スライム(C)」に蛍光塗料を多めに入れたような色になってしまうらしい。

さすがにそれはNGという事にして、まあ、「情熱の赤」にしてもらう事にした。赤なら遠くからでも目立つし……。

「本当にいいんですね?」
「ええ、やってください。おもいっきり」
で、作業開始。

まず、ブリーチで地毛の黒を抜く。
私の場合、約30分ほどブリーチを付けたまま放置し、文字通りの「真っ白頭」に一旦する。正確にはクリーム色というか、金というか。
シャンプーしてブリーチ(何だかグレーのハンドクリームみたいだった^^;)を落としてみると、それだけで既に真人間でない事は容易に把握できる。
私自身、町でこんな金色の頭をしているお兄様を見かけたら道を譲ってしまうと思う。

この時点で終わりにしようかかなり迷った。昔プロレスラーに「上田馬之介」(字が違う??)という人がいたが、そんな感じである。
十分「人々の度肝を抜く」という目標は達したかに見えたが、ここで引いては男がすたる。男子たるもの一度口にした事は死んでも実行するのだ。

「赤にして下さい!GO!」

横の方の作業場で助手のお兄さんが作っている「染料」が物凄い色をしているのが見て取れる。
まるで時代劇に出てくる「毒殺」シーンの口から流れ出てくる血糊のような「どす黒い」液体がカップの中で攪拌されている。

で、刷毛で頭に塗りたくっていくのだが、後頭部から段々上に登って頭頂部に部位が及んだ時にさすがの私も絶叫しそうになった。
とにかく「赤い」のだ!!
「ピンク」とか「紅色」とかそう言う生半可な赤じゃないのだ。B級ドラマのホステスの女性がつけているようなパッショナルで燃えるような赤なのだ。文字通り「情熱の赤」だった。

しかし、人間の順応性というのは恐ろしいもので、そんな奇妙奇天烈な頭もすぐに慣れてしまうのだ。
頭の全てに「情熱の赤」が塗り終わった頃には、私の頭は「人々がどのような顔をするか」という期待でいっぱいになってしまった。
どうも根っからのいたずら小僧のようである。

手始めに実家の地元の商店街を歩いてみる。
おじいさん・おばあさん・おばさんが大多数を占めるため、反応はすこぶるストレートである。

すれ違った途端に後ろの方で、

「うわっ!」
「きゃあぁ?!」
「何あの頭!」

と、まるで物の怪を見るような反応である。
一瞬自分が芸能人にでもなったような錯覚に陥って、ちょっとうれしい。

で、アパートに戻って友人に見せてみる。
彼は言葉が出なかった。それを見てるだけでかなり長い間笑う事が出来た。
ありがとう!(笑)

自己評価をしてみると、

  • 少なくともロンドンブーツの片割れには勝っている。
  • Hideにはちょっと負ける。
  • 消防車には勝ってる。
  • トマトにも勝ってる。

とにかく鮮やかなのだ。友人曰く「目が痛くなる」そうだ。

で、調子に乗って、横浜駅西口の繁華街とViVreを練り歩いてみる。
面白い面白い!!

ちゃらちゃらした格好の女子高生やチーマー(死語?)風の若者もさすがに奇異に思うらしく、方々で指を指す。普段なら「失礼な」と思うところだが、今回は楽しくてたまらない。

ラテン系の外人に至っては笑い転げそうな勢いで大笑いしてくれた。いやいや「芸人冥利に尽きる」とはこの事だろうか。
多分お巡りさんに絡んだらお巡りさんの方が逃げていくだろう。

しかし、「赤頭」にも重大な欠陥があった。

まずお風呂が大変である。
「色が段々落ちますよ」とは言われていたが、まさかお湯を頭から浴びただけで場外乱闘後のプロレスラーのような「大流血事件」になってしまった。
水曜サスペンス劇場やホラー映画なんて目じゃない。床一面地の海地獄である。気の弱い人は意識が遠のくかもしれない。
おまけに、バスタオル、シャツの襟元、ハンカチ、こめかみ、首筋、おでこがことごとく赤くなる。もしや白目が染まってないかと鏡を見てしまったほどである。

また、これだけの見事な「赤頭」をしている人間は町内を探しても私だけだっただろう。
なんにも悪い事が出来ない。一発で犯人がばれてしまう。しかし、この色を全国的に普及させる事は不可能と思われる。

さらに、この頭を元に戻す事がなかなか骨が折れる作業だった。
「髪を染める」という理容行為を取り扱っている床屋が少ない。黒に戻してもらうまでに2件床屋と交渉しなくてはならなかった。

さらに、ちゃんとした黒に戻すにはもう一回脱色して黒い色を染め直さなくてはならないようだ。現に別の床屋で赤の上からそのまま黒に染めてもらったが、2日目にしてすでに「赤紫ヤンキー」状態になってきている。「赤頭」がパンクの世界なら、「赤紫」はヤクザの世界である。全体に短くした分なお怖い。

で、今日も薬局に行って「黒のヘアカラー」を購入してしつこく染め直すのである。
そうでないと、私はおそらく失業者の仲間入りをしてしまう事でしょう。

人と変わった事をやるのはとても大変だと言う事がわかった。やっぱり頭髪はナチュラルな色にしておく方が普段の生活において苦労が少ない。

結論。
頭を染めている人々はエライ!!

最終更新日時:最終更新時間:2005年08月02日 11時10分09秒
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