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FlightLog/2009-5-19

  Flight Log 2009年 05月 18〜19日 - PSG + MWT検査


2日間かけてPSG検査(睡眠時ポリグラフ検査)とMWT検査(覚醒検査?)を受けてきました。
いずれも川崎にて。

スケジュール的には、

  • 18日
    • 18:00〜18:30に病院入り。シャワー。
    • 20:30にPSG用のセンサー装着。
    • 21:00〜23:00の間に就寝、PSG測定開始。
  • 19日
    • 06:30に起床、PSG検査終了。
    • 端子を一端全部外してシャワー&朝食。
    • 08:00にMWT検査用のセンサー装着。
    • 09:00第1回目のMWT検査
    • 11:00第2回目のMWT検査
    • 13:00第3回目のMWT検査
    • 15:00題4回目のMWT検査
    • センサー取り外し、シャワー
    • 出所

部屋は後から知った所によると、バス・トイレ付きのVIPルームだったっぽい。
(単にPSG検査だけでなくMWTもやって1日中病院にカンヅメになるので、座る所付きの部屋をあてがわれたという事なだけかも知れないけど…。)

ちなみに部屋はこんな感じ↓


ノリ的にはちょっとしたシティーホテルみたいな感じ。
ベッドのカメラ側にはテーブルと、肘掛付きのリビング椅子みたいなセット。
(テレビまでちょっと遠いし、割と座り心地が悪い。恐らくMWT検査の間に寝ないようにする為だと思われ。)
ベッドの枕の少し上のペンみたいなものはマイク。
写真には写っていないが、ベッドの天井部分には監視カメラと赤外線LEDの夜間照明。
カメラは「基本的にはベッドを見ているアングルにして動かしません」との事だった。(一応リモートでカメラ自体がグリグリ動かせるタイプ。SONY製。)
病室っぽいものは写真右側のナースコールのボタンぐらい。

事前説明として、特にMWTの間はうたた寝禁止なので、PSG検査で寝るとき以外は基本的にベッド立ち入り禁止。ベッドはカメラで監視されているので、寝ているとインターホンで注意されるらしい。

仕事場から直行したので当然スーツ。
それを脱いでシャワー浴びて、持参した寝巻き(単にTシャツとジャージ)に着替えてテレビを見ながらノホホンと過ごす。
夕飯はかなり無理があったけど入院前に済ませてきた。
(でも寝る直前にお腹が減ったのでパンを一つ食べる。)

そうそう、2日目の昼食は出前というのも出来るらしいけど、場所が場所だけにあまり出前の質に期待が持てないのでコンビニで朝食と昼食を調達してきたんだけど、コンビニのおにぎりって16時台に店頭に並んでいるのって次の日の朝2時で賞味期限切れるのな!
おかげでパンばっかりだよ。(サンドイッチも同様なのでダメポ…。)
飲み物は「カフェイン禁止」という事で1リットルの麦茶のペットボトルを購入。
おかげで荷物が重い!!!

カルテ代わりにタッチパッドPCで普段の状態のアンケートに答える。
(「普段は寝られてますか?」とかそんな質問。)

20:00になると看護士(というか臨床検査士?)のオネエサンがPSG用のセンサーの装着に来る。

センサーを貼り付ける箇所はアルコール綿でガシガシ擦る。燃えるんじゃないかというほど擦る!
肌の弱い人はこの時点で死ぬだろうな。

  • 脳波センサーの端子を頭頂部・左右後頭部・左右前頭葉・左右こめかみにシリコングリスみたいなもので粘着してその上から化粧用の角切り脱脂綿みたいなもので押さえる。
  • 両目尻と眉間に眼球筋肉の運動センサーの端子を同じくシリコングリスと脱脂綿で貼り付け。
  • アゴに2箇所センサー貼り付け。多分歯軋り筋肉の動きの筋電計。
  • 両耳たぶにセンサー貼り付け。(用途不明)
  • 喉仏下に音声センサー貼り付け。
  • 胸元に2箇所心電図のセンサー貼り付け。
  • 両足のスネ2箇所ずつに筋電図のセンサー貼り付け。
  • 胸囲とウエストに呼吸系(お腹と胸の膨らみ具合を図る?)を巻き付ける。
  • 左手の中指の先に赤色LEDの点るセンサーを巻きつけ(多分血中酸素濃度測定センサー)
  • 鼻の穴の入り口に鼻呼吸センサーを貼り付け(邪魔なので寝る直前まではアゴの辺りに引っ掛けておく。注射針みたいなのが)

仕上げはセンサーがずれないように頭と顔をスッポリと網をかぶせて、顔と耳を出す穴をジョキジョキ。

で、2人掛りで30分ぐらいで出来上がり。
こんな有様。


それら全てのセンサーの線は一端端子盤に集められます。
寝るまではそれを首にかけておきます。


時間も時間なので、このまま外に出たら間違いなく朝まで拘置所です。

PSG検査初めての人はまず寝られません
これだけイロイロつけていれば温かさとウザさが並ではありません。
実際、私も最初のPSG検査の時は寝付くのにムチャクチャ苦労しました。
(CPAPつける前から布団に入れば3分程度で寝られる私でもです…。)

今回は、私はCPAP加療中なので、この電飾ミイラ男状態の上にCPAPマスクと口を閉じておく為のアゴバンドをつけて寝ます。

慣れというのはオソロシイもので、PSG検査3回目、しかもCPAP暦5年ともなると、この状態でも全く問題なく普通に寝付けます
習慣とは偉大です。

CPAPは、病室がエアコン空調なので、加湿タイプをお願いしました。
強制的にノドに空気を送り込み続けるCPAPはとてもノドが乾くのです。
普段エアコンなんてハイソなコンディションで寝ることに慣れていない私はイッパツでのどが壊れます。
加湿ユニットをCPAPとマスクの間に接続して使うのですが、コレ、かなり快適です!
今度主治医さんに聞いてみよう〜。

ついでに、CPAPには圧力において「固定式」と「可変式」というのがあるみたいで、私が普段使っているのは固定式。
空気漏れなどで一時的に出力が上がったり、設定によって寝入りばなだけ圧力を下げたりする機能はあるけど、基本的には一定圧力を保つタイプ。

「可変式」は固定式の機能に加え、設定された上限と下限の間で、睡眠状態に合わせて圧力を自動調節してくれるらしい。
これも今度聞いてみよう!
多分、体重やコンディションの変化に多少は強いと思われる。

ちょっとベットがやわらかすぎて背中が痛かったけど、他には問題なく朝となる。
またもオネエサン2人掛りでセンサーを外される。
その間に今夜良く寝られたかについてアンケートを入力。

シリコングリス(仮称)でベトベトになった頭と、装備過多で汗ばんだ体をシャワーで流す。
テレビを見ながら朝食の菓子パンを食べる。
眠気があるわけじゃないんだけど、やっぱり朝は麦茶じゃ刺激が足りない。
多分カフェイン中毒なんだと思われる。
将来麻薬と同じぐらいカフェインが取り締まられる事になったら私は多分反政府ゲリラに加わる事になる。

服装はパジャマではなく、ノータイのワイシャツとスラックス。
病室を出たところはモロに外来の待合室なのでパジャマは恥ずかしいらしい。
MWTの検査室は待合室を通り抜けていかないとならないらしい。

で、08:00にまたもオネエサンが来て昼用のセンサーをつける。
夜のPSG用センサーセット程は多くなく、

  • 脳波センサーの端子を頭頂部・左右後頭部・左右前頭葉・左右こめかみに同じように貼り付け。
  • 両耳たぶ。
  • アゴ2箇所
  • 眉間、両目尻。
  • 心電図2箇所。


…良く考えると、足と鼻と網がないだけか。
で、同じように端子盤を首からぶら下げておく。
これで準備完了。
09:00の第一回検査を待つ。

さて、初体験のMWT検査へ!!

検査室は入り口が音楽室のような防音扉。
大きさは3m四方ぐらい。
介護用のリクライニングベッドが1つ。
センサーを繋ぐ端子。
天井には病室にあったのと同じ暗視監視カメラと赤外線LED照明。

ベッドは真ん中ぐらいからほぼ垂直に立ててあって、背筋を伸ばした状態で長座状態。
向かう先は壁。壁にはドイツの医療機器会社のカレンダー。
ベッドの後ろにはマイク。天井にはスピーカ。
要は寝ないか監視されているらしい。

ベッドの上に足を投げ出して座って、インターホンのオネエサンの指示に従って各センサーのテスト。
それが終わったら部屋の照明が蛍光灯についている豆電球ぐらいの明るさに落ちて、テスト開始。

この状態で寝ないように頑張る。ひたすら頑張る。

……と、いってもそんなに眠くは無い。
意識を保つ為に照明を見るのは禁止だが、特にハデに動いたりしなければあまり細かい事は言われない。
カレンダーの「木曜日」を最初の日から計算して調べたり、カレンダー上半分のベルリン聖堂の形を覚えたりして常に脳を動かす。

で、20分経つとインターホンで「終了です」と言われる。
オネエサンが端子盤を部屋の端子受けから外してくれる。
次の試験時間までは病室に戻って待機。

1回目のテストは結構「こんなものか」って感じだったけど、MWTがツラくなってくるのはこれからだったようだ。

まず、病室の椅子が長時間座っているとしんどい。
尻と腰が痛くなってくる。
ベッドにうつぶせになって伸びをしたいが、ベッドの使用は禁止。
仕方が無いので窓枠に手をかけてネコ伸びでしのぐ。

テレビがつまらない。
ミノの顔や情報価値ゼロのテレビは見るに耐えないので結局NHKのニュースになる。
ヒマ潰し用に本も持ってきたが、この椅子は本を読むのに物凄く不向きな事が判明。
深川のおじさんにもらったグライダーの教本を読んでみるが、腕と首が痛くなってくる。

テストの間、テスト開始30分前までは1本だけ喫煙が許可されているので、病院の外に出て一服。
ノータイの電極男が退屈そうにタバコを吸っている光景はさぞシュールだった事だろう…。
周りは昔ながらの高層アパートと中庭的な公園。
子供連れのお母さんたちが井戸端会議をしている。

2回目のテストは11:00開始。
10:50頃にお迎えが来て検査室へ。

また介護ベッドの上に長座するが、結構体にダメージが出始めている事に気が付く。
肩がバリバリに凝っていて、腰がじんわり痛い。
腰痛持ちの人は申告しておかないと多分20分持たない。

今回も眠気は無かったが、ケツが痛いから「さっさと終われ!」と偏に念じながら20分を過ごす。
それだけでは脳が現実逃避モードになって目をつぶりそうになってしまうので、長座の姿勢を生かしてモグラの操縦を脳内復習する。
幸い、両足と両手は丁度ペダルとスティックの辺りにあるので、それをかすかに動かしながら「レフトサイド・クリアー」「ロール」「戻し」など頭の中でブチブチ言いながらエアワークをする。
欲張ってトラフィックに乗ろうとしたところで無事にテスト終了。

ベッドから降りるときにふくらはぎがしびれてオネエサンに笑われる。

昼のテレビは朝に輪をかけて退屈!
旧林家こぶ平が「葬りたい男」なんてコーナーをやってる。
ああ、いかにも頭のおかしいオバタリアンが好みそうなコーナーだ。
ここは12チャンネルの時代劇で凌ぐ。

笑っていいともを超久々に見るも、ニューハーフ特集みたいな感じだったのでパス。
神様・坂井三郎の「大空のサムライ」の下巻、療養中のあたりを読んで硫黄島でグラマンに取り囲まれたあたりで3回目のテストのお呼びがかかる。

13:00からのテスト中はそろそろ妄想ネタも尽きてきた。
自分の脈拍が大体70〜74回/分な事を思い出して数えてみるが、20分間だと大体1400回とかになって「ひつじが一匹」状態になってしまいそうなので中止。

それよりも尻の痛さで脂汗が出てくる。
気が付くとバリバリに凝った肩のせいで段々と頭が痛くなってくる。
時々尻の位置を動かしたり座ったまま背伸びをしたりして何とか20分間凌ぐ。
正直ほっとしたが、まだもう一回あるかと思うと萎える。

病室に戻ってテレビをつけると12チャンネルで『ジョーズ1』をやっている。
懐かしい!
この時間って確か「B級映画アワー」で15:30までの枠だったはずだから、そうなるとクライマックスのあたりで最後の検査になるなるなぁ〜とか考えつつ、いい加減椅子に座り続けると腰が痛くなってたまらないので窓側に寄りかかりながら立ってジョーズを見る。

サメ狩りに出かけて最初の夜の酒を飲みながら傷を見せ合うあたりでお呼びがかかって心残りながらも最後の検査へ。

「これを無事に乗り越えれば訓練許可証がもらえるんだ!!」
「寝たら訓練許可証もらえないぞ!!」
と雪山のような状態で最後のテストに突入。
そういえば病室においてあった「MWT検査 パイロット用」なんて説明書の背表紙を思い出しながら死ぬ気で20分を耐え抜く。
何が何でも練習許可証をもらうんだ!眠気がない事を証明するんだ!!
気合だ!気合だ!気合だ!!

長い長い最後の20分間を耐え抜き、「検査終了です。」のインターホンがあったときは思わずガッツポーズしそうになった。

検査室でセンサーを取り外し、病室に戻ってシャワーを浴びて準備が整い次第帰ってよいとの事。

ちなみに、検査料金は前払いで10万円也…。

シャワーでシリコングリスを念入りに落として、ついでにガチガチの首やギシギシの腰にも熱めのシャワーを浴びせて頭痛を和らげて出る。

速攻で近くのPRONTOに駆け込み、カフェインを注入する。
何かシャバに帰ってきた気分だ。

それでも凝りが残って頭が痛いのでアゼリアのマッサージに行って凝りをほぐしてもらう。

検査結果は6/11頃に自宅に郵送されてくるらしい。
扁桃腺の外科的処置の為の診察はやはり予約を取って耳鼻科にかからないとならないらしい。

SASはCPAPで治療していれば何も問題なく普段の生活が送れるのに、面倒な検査が必要だったり、生命保険に入れなかったり、訓練許可証がもらえなかったり。
何か不条理だよなぁ〜。
何で無自覚で検査を受けない潜在的に危険な人より毎月お金を払って治療を受けている人の方がいろんな意味で社会的に制約を受けなくちゃならないの????
おかしくないか?

と、疑問に思ったりもした。


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最終更新日時:最終更新時間:2009年05月19日 20時11分44秒
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