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2001年1月26日金曜日(EST) [出張6日目:Milford, Boston]


「めでたい事とめでたくない事」

今日はアメリカ研修その1の終了の日だ。
今回の研修旅行では違う機械の研修を2つ受ける事になっていて、一つは今週受けていた1週間の研修。もう一つは来週から始まる2週間の別の機械の研修。

今日のClassは午前中だけで終わり。
簡単なReviewとQ&Aが行われ、お昼前に解散となった。
解散の前に「認定証」の授与式が行われた。このクラスの卒業証書だ。
やっぱりアメリカ人はこういうの好きなのかな?結構見た目立派な卒業証書をもらった。
クラスメートとそれぞれ握手を交わし、5日間お世話になった先生とも握手を交わす。
「なんかあったらいつでもメールで聞いてくれ」と私の英語能力から来る理解の浅さをいつも気遣ってくれた。感謝したい。全館撮影禁止で記念写真を取れなかったのが残念だが、クールないい男だった。

クラスで同じ実習チームのメンバーだったBobにも別れの挨拶をした。彼もこんなお荷物をクラスに抱えながら丁寧に根気強く私の実習をサポートしてくれた。何度も言い直してもらって「私なら既に切れているな」と思えるときにも必ず最後まで説明してくれた。アメリカ人の懐の広さを見たような気がする。

みんなありがとう!頑張ってくれ!

と、感動の別れを終えた後で、会社の他の施設を少し見学して、宿で荷物をそろえてカジノへ向かった。
結構私の中では「アメリカの本物のカジノを見たい」というのが隠れたテーマだったりしていた。
場所は事前情報で仕入れていたので、後はとにかくそこへ車を飛ばすだけだ。

夕方の4時過ぎに出発して、ほぼ迷うことなく6時ぐらいに現地に着いた。ちなみに2時間という時間は70~80マイルでずーっとかっ飛ばしつづけての距離である。本当にトリップメーターを見ると150マイルぐらい増えている。1マイルが約1.7kmだから150マイルは約250kmである。
おいおい……東京からだったら名古屋の近くまで行けるじゃないか……。

カジノのある場所はFOXWOOD。直訳すると「キツネ森」。
本当にのどかなのどかな田園風景が続く。そしてハイウェイを降りて少し経つと森の中に入る。
例によって街灯がないので5時過ぎで真っ暗になる。
これといった標識もなく、「大丈夫なのかな……」とかなり心配になった頃に森の切れ目から突如としてギンギラギンのライトアップされた高層ホテルがドカーンと姿をあらわす。真っ暗闇の中にあまりに突然現れたものだから危うく路肩に乗り上げるところだった。
まさに「キツネに化かされた」気分だった。

遠くに見え始めてからもなかなか近くにいけない。実際には進んでいるのだろうが、回りに見通しが利かないのでどのくらい進んでいるのかわからない。やっと「Foxwood駐車場」という看板があったのでそっちに行くとまだ「不夜城」からは結構離れている。ここからホテルからの送迎バスに乗ってそこに向かうらしい。


Foxwoodカジノホテル(カジノ側ロータリーからホテルタワーを望む)


Foxwoodは3つのリゾートホテルの経営するカジノだ。
「単一のカジノとしては全米で一番混雑するカジノ」とガイドにあったとおり、金曜日の夜という事もあってか、中に入るなり外からは想像もつかないほど混雑している。
別に全館案内のパンフレットはないようなのでとりあえず中をぐるっと1周してみる。
……広い広い、本当に広い。
ここもカジノ内部は撮影禁止だったのでその広さを写真に取れなかったのが残念だが、端から端まで歩くのに10分以上かかる。横浜近郊に住んでる人向けに説明すると、クイーンズスクエアにカーペットをしいてそのままカジノテーブルとスロットマシンを並べた姿を想像して欲しい。それがFoxwoodだ。
冗談抜きで本当に広い。

中にはカジノはもちろん、レストラン、ホテル、プライベートプール、映画館、クロークなど、全てがそろっていて、遊べるゲームとしては、ポーカー、ルーレット、キノ、クラップス、ブラックジャック、カリビアンポーカー、スリーカードポーカー、バカラ、スロットマシン、テレビスロット(ゲーセンにあるようなコンピュータのスロットマシン)、ビンゴ、競馬(全米の競馬場にここから馬券を買うことができるらしい)、館内宝くじなどなど、その他私の知らないゲームも多数あった。本当に全部遊び尽くそうとしたら1日じゃ絶対に無理だ。それこそ上にあるホテルに泊まって1週間ぐらい住んだほうがいい。
(しかし、広すぎて私はとうとうホテルのフロントを見つけられなかった……)

私もこの日のために暖めておいた100ドル札を握り締めてブラックジャックとルーレットを大いに楽しんだ。
この日はどうやら韓国からのツアーがきていたらしく、おびただしい数の韓国人がひしめき合っていた。
私もボーイに「アンニョン・ハセヨ?」と声をかけられ、「No、コンバンワ」と答える事がしばしばあった。

その他の客はじいさんばあさんが圧倒的に多い。行った時間が早いという事もあるのだろうが、じいさんばあさんと、ハネムーンとおぼわしきカップル(着飾ってかなりの大金($1000単位)を手にしてる!)がかなりの割合を占めていた。「人生の余暇」というやつか?

ディーラーは結構外国人が多い。
カリビアンとコリアンがかなり目立つ。こっちも向こうも英語が十分話せないのでゆっくり話せて私には好都合だ。彼らはアメリカでディーラーの修行をして本国に帰って働くらしい。

夜が深まるにつれ近辺のアメリカ人と思しき客が増えてくる。常連らしく、ディーラーと打ち解けた会話をしている。夜の12時からはアルコールのサービスがなくなるが、それでも酔っ払ってベロベロの状態でゲームに興じてる。

私のほうは結果的に惨敗。$100の元手で一時は$900ドル以上のチップを手にしていたが、結局すっぴんになってしまった。とほほ。そこで止めて豪華ホテルで1泊すればよかった……。

仕方ないのでついでにニューヨークにでも行って自由の女神でも見ようかとインターステート95号線を南下するが、途中から雪がひどくなってきて不慣れな日本人の運転では危険になってきたので引き返す。
残念。

行きと違う道とはいえ、帰りはそんなに飛ばさなかったので3時間ほどかかった。
トリップメーターは300マイルほどになっている。それでもニューヨークまでの1/3ぐらいの旅程しか行けてなかったのだ。
いやはや、アメリカは広い。本当に広い。

トボトボと宿に引き返してきて一眠りしたらもう日曜日になっていた。唖然とする。

さすがに今からもう一回ニューヨークにチャレンジする気合はないので今日はボストン市内にでも散歩に行ってこよう。

その様子はまた後で……。


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