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2001年2月5日日曜日(EST) [出張15日目:Milford, Boston→New York→Milford,Boston]


「New York! New York!(1)」

夜のInter State 95号ハイウェイは真っ暗である。
5時半には日没になってしまうから、9:30にホテルを発ったときには既に真っ暗である。

確認したニューヨークへの道筋は至極簡単。
ホテルのすぐ横からI-495に乗り、そのまま南へ。I-95との交差に来たらI-95-Westへチェンジする。
あとはそのままニューヨークまで一本道である。

真っ暗な495は夜にしては結構な量の交通量で照らされている。
結構な量とはいえ、広々3車線の495は平均時速70マイルぐらいで流れている。
70マイルは大体110km/h弱ぐらい。ハイウェイのLimit Speedは65マイルである。
別に急いでいるわけでもなく、かといって流れに逆らうのは賢くないので70マイルぐらいで走る。

やがて495と95のインターチェンジにさしかかった。
が、あまりの暗さに看板を見過ごしてやり過ごしてしまった。本当に暗いから気をつけていないと見損なってしまう。
一旦降りて引き返し、無事に95に乗る事ができた。
95に乗ってまもなく、隣のロードアイランド州の州都プロビデンスに差し掛かる。
市内にいる間は結構明るい。
プロビデンスは両側に明るいネオンと工場の明かりが並ぶ港町である。

ロードアイランド州は取っても小さな州で、27つの出口を過ぎるとあっという間に次のコネチカット州に入ってしまう。
およそ30分弱ぐらいで通り過ぎてしまっただろうか。
ハイウェイの出口は州ごとに番号が振られており、ロードアイランドの1番出口を過ぎるとコネチカットの93番出口の案内が現れる。
目指すニューヨークはさらに隣のニューヨーク州にあるので、これからさらに93の出口を通り過ぎなくてはならない。
改めて長旅な事を思い知らされる。

コネチカット州に入ってしばらく行くとサービスエリアがあった。
「コネチカット州ウェルカムセンター」と看板が出ている。トイレと自動販売機と観光案内所があった。
既に時間は23:00を回っていたので、当然観光案内所は閉まっている。
駐車場には車はまばらで、人影もない。静まり返っていて結構怖い。
自動販売機でフレンチバニラカフェを飲んでしばし休憩する。
海が近いせいか結構風が冷たくて寒い。
観光案内所にあったパンフレットでニューヨーク州境のモーテルを探す。あるにはあるが、大体$70ぐらいする。
ニューヨーク州の中では$80ドルなんて所もあった。
たかだか数時間の睡眠のためにそんなにお金はかけたくないので、やっぱり車の中で寝る事にする。

休憩を終えて再び西に向かって走り始める。
ニューロンドン、ニューヘブンと大きな都市を通り過ぎるときは明るいが、後は自分のライトだけが頼りだけである。
特にニューロンドンからニューヘブンの間はほとんどまっすぐでゆるいUp-Downのある真っ暗な道が続く。
両側は森か沼地ならしい。大きな川をまたぐ橋もあった。暗闇にうっすらと川の形が白く浮かぶ。凍ってるようだ。

ニューヘブンを過ぎブリッジポートに差し掛かった頃からだんだん風景がにぎやかになってくる。
別にここに差し掛かる前にも何度かあったのだが、Mobilとマクドナルドの組み合わせが目に付くようになってきた。
出口番号も30を切り、いよいよコネチカット州も終わりに近づいている事を示している。

かねてから「覚えやすいだろう」ということで目安にしていたノートンの街に差し掛かった。
またMobilとマクドナルドのサービスエリアがあったので、ここで2度目の休憩と睡眠を取る事にする。
満タンにしてあったはずのガソリンは既に1/2タンクを大きく切っている。
時間は日曜日の1時になろうとしている。やはりここまで3時間ぐらいかかっている。

24時間営業のマクドナルドに入ると、中はお客よりも店員のほうが多い。
どうもここでは英語が公用語ではないようだ。多分20歳前後だと思われるマクドナルドのアルバイトたちはスペイン語のような感じの言葉でなにやら楽しそうにおしゃべりをしていたが、見慣れない東洋人が入ってきたのでちょっと警戒しているようだ。
コーヒーを頼んで客席でくつろいでいたが、アルバイトたちの視線がやけに気になるので外のベンチに出た。
別に悪意はないのだろうが、仲の良いアルバイトたちの間で自分がやけによそ者のような感じがした。

外は相変わらず寒い。
タバコを吸い終わると車の中に入ってエンジンをかけた。
アルバイトのものと思われるおきっぱなしの車の窓にはうっすらと霜が降りていた。
車のシートを倒し、持ってきたセーターを枕にしばし睡眠を摂る。

「後はニューヨークまで一気に走るだけだ。」そう思うとなかなか寝付けない。
車の中で寝る事には結構慣れていたはずだけど、さすがにここまで一人で遠くに来た事はない。
言葉もろくろくわからない地球の裏側で、さらに拠り所と友達のいるボストンから200マイルも離れた彼方にいるとさすがに少し心細くなる。念のため車のドアのロックを確認する。

夜明けにニューヨークに着き、朝一番のリバティーアイランド行きのボートに乗るために朝6:00に出発する事にする。
腕時計の時計を5:30にセットして目を閉じた。

続く…………


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