前の日 / 前のページ / トップへ戻る / 掲示板へ / 次の日

 


2001年2月4日日曜日(EST) [出張15日目:Milford, Boston→New York→Boston]


「New York! New York!(3)」

おおう!3枚目に突入してしまった!

クリントンキャッスルの中のチケット売り場は8:30からの営業のようだ。
時間がくるまで門の前でウロウロする。
しかしまあ、かもめもリスも全然人怖じしない事……。さすがニューヨーク。

開門と同時に中に入ってチケットを買う。リバティー島までは大人$8.00。
スケジュール表がないので詳しい時間はわからないが、ついつい日本の感覚ですぐに始発の船が出るものだと思う。
船着場を探してさらにウロウロする。
ちょっと離れたところに「客船ターミナル」みたいな建物があるのでそこに行ってみる。
中を見てみるが、どうも「リバティーアイランド」の表示がどこにもない。「???」
外に出てみると、さっきのチケット売り場の近くの岸壁に船が泊まっているではないか。
う!そんな近くだとは思わなかった。それにこんなに小さい船だとは思わなかった。

船は3階建て。前後は20mぐらいだろうか?丁度横浜港の観光船ぐらいの大きさである。
船の前の列に並ぶが、なかなか乗船にならない。
船の前では職員とおぼわしき人たちが朝の挨拶をしている。
手のひらを顔の高さぐらいに揚げて握手をするのがここの挨拶らしい。
とても元気がよろしい。
船は9:00にバッテリーパークの桟橋を出航した。
ボストンに戻るまでに後5時間しかない。1時間で戻って来れるかな?

リバティー島はすぐ沖に見える。距離にしてたぶん400~500mぐらいだろうか?そんなにないかもしれない。
乗船すると、一番上の階の一番前に陣取る。絶好の眺めだ。
でも、船が出港するとみんなめいめい立ち上がって写真を撮り出す。私の席のその先で記念撮影大会だ。とても落ち着いて座っていられるような状態ではない。

船が進むにつれてマンハッタンの全貌があらわれてくる。この辺までは自由の女神にカメラを向ける人よりも、摩天楼をバックに記念撮影する人が圧倒的に多い。確かに、ここからのマンハッタンの眺めは最高だ。


船の上からマンハッタン島を振り返る

やがて、船が自由の女神に近づく。
リバティー島のこっち側に桟橋が見えるのでそこにつくのかと思いきや、自由の女神の前を通って反対側の桟橋に船をつけるらしい。う~~ん、サービス満点。
丁度雲間から光が差し込み始めて、丁度自由の女神に光があたるようになってとってもきれいだった。


  
回転しながら近づいてくるのがわかるかな?


もうすぐ桟橋です。マンハッタンとロングアイランドと自由の女神。


やがてリバティー島の桟橋に船が着く。
小さな島全体が公園になっていて、そこで働く職員たちと一緒に上陸する。
島には管理事務所とレストハウス以外には何もない。あるのはただ自由の女神だけである。
自由の女神の台座は結構大きい。それだけで4階建てぐらいの大きさがある。その上に自由の女神が建っている。
いや、立っている。

台座の部分の中にはどうやら博物館があるらしい。
入り口の列を作る部分には簡易テントの屋根が張ってある。今日は風がなくて過ごし易いが、湾の中のふきっさらしなので、風があったら相当寒い事だろう。
入り口で開場を待ちながら、Coat Guardのおじさんと挨拶を交わす。
「どこから来たの?」「日本から」「Ha,Ha,Ha!コンニチワ!」
ニューヨーク式の握手で返事をする。楽しい。

台座の入り口が開けられたけど、列はなかなか進まない。やっと自分の番になって中に入ったらその理由がわかった。
入り口すぐに空港のような金属探知機のゲートとX線検査機があり、ボディーチェックがあるのだ!!

これにはたまげた。
私の前のおじさんは何度もブザーが鳴り、何度もゲートをくぐり直していた。
私も一度引っかかり、コートを預けたら大丈夫だった。ゲートの先でコートと荷物を受け取る。

館内は薄暗く、大きな階段が1つ上へ続いている。もちろん自由の女神の上に登るのだ。
階段の上にはエレベーターと階段がある。階段の方には三百いくつと数字が書いてある。
多分頂上までの階段の数なんだろう。たいした事ないな。ここまで来たら階段で行くしかないっしょ。

しばらくは船の階段ぐらいの狭いきつい階段が続く。
2回ほど折れ曲がって、登った先は自由の女神の内部だった。
内部はがらんどうで、鉄骨が縦横に張り巡らされ、その外に自由の女神の外側が取り付けられている。
その中央に、背骨のように螺旋階段がまっすぐ上へと続いている。
階段はかなり渋滞している。


空洞の下から上を見上げる。左上の白いのが螺旋階段


物凄く急な螺旋階段だ。
身をよじるのも結構大変だ。1つの段は両足をそろえておくことができない。
しかも結構ゆれる。大丈夫なのかな?
時々踊り場のような所があり、エレベータの非常用出口が透明アクリル版で仕切られた先にある。
よく見ると踊場と螺旋階段は溶接されていないようだ。隙間から下が見える。こわ~~~。

やっと頂上へ辿り着いた!
と、いってもたいしたものがあるわけではない。踊場が幾分広くなったようなスペースと、窓が若干、後は降りる階段が付いているだけである。
ここが自由の女神の頭部で、かぶっている冠の所に展望用の窓がついているのだ。
ここでみんな記念撮影をするため、渋滞が発生するのだ。
窓と言っても船の丸窓ぐらいの窓が4つ付いているだけで、首をめぐらす事もできない。自由の女神の首はあんまり大きくないらしい。

 
左:窓から外を眺める   右:窓から見た自由の女神の右手

急な階段を再び下り、空洞の下に戻る。
別の階段から降りるとお土産屋さんがある。たいしたものはなかったが、記念にベースボールキャップを買う。
台座のテラスに出て、正面から自由の女神を撮影する。

 
ちょっと曇り空が哀愁を漂わせるよな……


桟橋に戻ると再び行列ができていた。
先にホテルに電話をして、私宛にメッセージがないか確認する。
桟橋のかもめは人にえさをおねだりする。パンやクッキーを投げると空中でキャッチする。
みんなで面白がってえさをやっていた。

船はバッテリーパークへ直行で戻るのかと思いきや、隣のエリス島に立ち寄ってから戻るらしい。
何でかわからないが、帰りはやたらと船が遅い。進んでいるのかいないのかわからないようなスピードでハドソン川を横切る。わずか100mぐらい先を大きな貨物船が横切る。多分こんな調子だからスピードが上げられないんだろう。

さてさて、バッテリーパークの脇に止めてあった私の車をさえぎるように警察の「駐車禁止」の縄が張ってあった。
切符を切られていないだけまだましか……。
ロープをどけていると背の高い黒人のお兄さんが「Hey Brother, What are you doing?」と声をかけて苦笑いしている。
親切にも、ロープを持ち上げて「さあいけよ」と声をかけてくれる。
親切な人だ。ありがあたやありがたや。

さて、時刻は12時になろうとしている。いそいでボストンに戻らなくては。

バッテリーパークトンネルをくぐり、マンハッタンを後にする。北へ橋を渡り、後はそのまま95号を北へ向かうだけだ。
ただ、間違って早く東に曲がってしまうと行き止まりのロングアイランドに入ってしまう。
おまけにガソリンはもうちょっとでレッドゾーンに入りそうだ。早くガソリンスタンドに入らなくては。

橋を下った先に橋の料金所がある。
マンハッタンに続くほとんどの道路とほとんどのトンネルは有料道路だ。
料金所を出てさらに進むが、なんだか予定した地名が看板に出てこない。太陽が前方にある。
ん?ひょっとして逆か?!

ハイウェイを降りて地図を確かめる。
どうやら全く逆のSTATEN島の方に来てしまったらしい。このまま行ったらニュージャージーを彷徨うところだった。
引き返して橋を渡り、ロングアイランドに戻る。西海岸沿いに北上すれば何とかマンハッタン島の真中辺に続く橋に出れるはずだ。

が、橋を渡って下ったところで渋滞している。
アメリカに来て初めて渋滞と言うものに出くわした。なんてこったい!
おまけに改めて燃料計に目をやると、本当にレッドゾーンぎりぎりに針が傾いている。ぐああーー!!

今度はトンネルをくぐらずに278を間違いなく北に向かう。
渋滞をノロノロとあせりながら進むと、眼下にはロングアイランドシティーの低い町並みが続く。
お世辞にもお金持ちが住んでいる所には見えない。ガソリンスタンドもちらほら見えるが、ここで降りてしまってはまた渋滞にはまり込んでしまう。祈るような気持ちで先に車を進める。

やがて行きに渡る予定だったトリボロウ橋が見えてきた。とりあえずこれを渡り、87号線経由で95号線に戻る事ができた。行きに立てた計画が帰りに役に立った。
速攻でハイウェイを最寄の出口で降りて、ガソリンスタンドに直行する。
ガソリンノズルのストッパーが壊れていて、グリップを握りつづけないとガソリンが止まってしまう。
あ、アメリカのガソリンスタンドはセルフサービスなのであしからず。
何とか給油を終わり、「F」の位置にある針を見て胸をなでおろす。
でもこれが再び1/4に来るまで走りつづけないといけないんだよな……。

帰りの95号線は昼間なせいもあって行きよりも風景を楽しむ事ができた。
思ったよりも建物は少なく、自然が多く残っていた。

が、リミットは刻一刻と近づいてくる。
ハイウェイパトロールに捕まるとかなり手痛い罰金を払わせられるらしいが、背に腹はかえられない。
携帯電話がない事を恨みつつ、気合を込めてアクセルを踏む。

が、が、昼間の95号線は思ったより交通量が多い。
しかも、市内以外は二車線のところが多く、追い越し車線は渋滞しているところもある。渋滞と言っても60マイルぐらいでは流れているのだが、なにぶんこっちは急いでいるのであせっている。
アメリカの運転はかなりマイペースで、後ろから煽られてもかなり気づかないでのんびりと走りつづけている。

別に煽っているわけではないが、遅い車があると自然にそこを先頭にしたダンゴができる。
しばらくするとそれに気づいて右側の車線によける。団子が流れ出す。以下繰り返し。
それでも何とか75マイルぐらいをキープしつつ、隙あらば90マイルでその先の団子のケツに張り付いて先に先に進む。
100マイルというと時速160kmぐらいらしい。日本じゃ怖くて出せないよな。
時々草むらの影に白いハイウェイパトロールが隠れて止まっていて「もうだめだ!」と思った事が何度かあったけど、今日はついていたらしい。実際に捕まっている車も何台か見かけた。

後は良く覚えていない。
マンハッタンを後にして95号線に乗れたのが確か13:00頃だったから、約2時間ぐらいでボストンについた事になる。
我ながら無茶したもんだ。

荷物もそこそこにホテルに駆け込み、自分の部屋から留守電をチェックする。
フロントにも確認し、自分宛にメッセージが来ていないか確認する。
どちらもなかったが、ひょっとしたら留守電の応答メッセージが流れている間に電話を切った可能性がある。
どちらにしろ、同僚がボストンについたとしたらとっくに電話してきているはずの時間だ。

靴を脱いでベットに横になりながら電話を待っているといつしか眠り込んでしまった。
同僚が来るのが来週だと知るのは翌日の事になる。

ああ、なんともあわただしいニューヨーク見物でした。
フロントのお姉さんはあまりの私の帰りの早さに「飛行機で戻ってきたの?」と聞いたぐらいだ。

おつかれさんでした、Sunfire。
(あ、この前車の名前を間違って書いてたな……^^;)


前の日 / 前のページ / トップへ戻る / 掲示板へ / 次の日