前の日 / トップへ戻る / 掲示板へ /次の日

 


2001年2月6日火曜日(EST) [出張17日目:Milford, Boston]


「疲れたんだわ、これが」

昨日の雪は朝方には止んでいた。
道は昨日のうちから除雪車が走り回ってたので、まあ、自分の車の雪をどけるのが大変なぐらいだろう……
と、思っていたのが非常に甘かった!!

本当に、本当に車が「雪だるま」状態になっていた!!

おまけに、結構下のほうは固く、表面を手袋で払ったぐらいではなかなか落ちない。
そもそも、車全体を15センチぐらいの雪でくるんだ状態を想像して欲しい。それをしゃもじぐらいの氷掻きで掃うのだ。
他の地元の人々は洗車用のタイヤブラシみたいな大きなブラシを使って雪を掃っている。
一回に掃える量が10倍ぐらい違う気がする。

車の雪を掃っていると同じ会社に勤めていると思しきおじさんが車の中から「乗って行くかい?」みたいな声をかけてくれた。
が、やりかけてしまった以上ここで投げ出すのは何とも中途半端な気がして乗る気にならなかった。
適当な理由をつけて丁重にお断りする。

結局全部の雪を掃い落とすまでに30分がかかった。
いつもホテルを出る時間を早めに取っているのが幸いした。
全部落ちたところで、あまりの重労働にタバコを一服……。
向こうでは韓国からと思しき宿泊客がやはり同じように苦戦している。
「ブラシ」を持っているにもかかわらずである。「しゃもじ」一本で片付けた後だけにちょっとだけ優越感に浸る。

さて、一服終わって車に乗り込み、ギアを「R」に入れる。
ズルズルと後ろに下がり……とまる。なおも空しくタイヤは雪をかきあげる。
雪が車の後ろにかなり積もっていて、乗り上げてしまったのだ。

ギアを一度「D」に入れ、ちょっと前に。
元々停まっていた位置の少し前に行くと同じく雪に乗り上げて止まる。
ギアを「R」入れて、ちょっと勢いをつけてバックする。さっきよりは幾分通路に近づく。
またギアを「D」に入れ……以下同文。

繰り返す事5~6度、やっと雪深き駐車場から脱出する事ができた。やれやれ。
研修場までの道は予想通りきちんと除雪されており、問題なかった。
研修場の駐車場に車を止め、エンジンを止めた途端にがっくりと疲れが来た。
革の手袋は濡れてぐしゃぐしゃ、くつは防水スプレーのおかげで何とか大丈夫だが、ジーンズのすそはびちゃびちゃである。
若干くつの中に雪が入ってるみたいで時々どこか冷たい。


いい天気のおかげで帰る頃には車はすっかり「解凍」されていた。
外の木々は全体に薄く雪が吹き付けられていて、折からの風にはらはらと氷の粒を振りまいていた。
美しい景色だ。疲れていただけになおさら心にしみる。
はあ、雪国の人って大変なのね……。


前の日 / トップへ戻る / 掲示板へ /次の日