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2001年2月10日土曜日(EST) [出張21日目:Milford, Boston→Tokyo]


「Goodbye America !(駆け足の帰国)」


朝はすんなり5:00に起きることができた。
起きることができたと言うよりは、何だかよく眠れなかった。
後半日経ったら地球の反対側にいるんだと思ったら何だか不思議な気分だった。
アメリカでのいろんな事が頭に浮かんでぐるぐる回っていた。

夜はまだ明けていない。
荷物をもう一度点検してホテルをチェックアウトする。
空港へのトンネルはホテルのすぐ横から伸びていて、ホテルを出てから10分もしないで空港へついてしまった。
まずはレンタカーを返しに行く。
何事もなく、傷の点検すらしないであっさりと返却手続きが終わった。
本当に大雑把だ。
もし私がハイウェイでクラッシュしててグチャグチャだったらどうするつもりだ?

レンタカー屋のバスでターミナルに向かう。
まだうっすらと明るくなってきたぐらいだというのにターミナルは出発する人でにぎわっていた。
店も結構開いている。
売店で絵葉書を2枚買って、彼女と実家に手紙を書く。(今更遅いっちゅうに!)
が、切手がどこで売っているのか良くわからない。インフォメーションで聞いても郵便局はないらしい。
とりあえず本屋さんに行って聞いてみると、向うの新聞スタンドで売っているらしい。
新聞スタンドに行って聞いてみると、あっちのお土産屋さんで売っているらしい。おいおい。
お土産屋さんでやっと切手を見つけることができた。
が、国際郵便の値段を私は知らない。お姉さんに聞いても良くわかっていないみたいだ。
「Over-seaのstampだよ」というと、「65セント」との事なので、とりあえず2枚買う。本当かなあ……。100円足らずだよ。

郵便ポストを探すが、そもそもアメリカのポストがどんな格好をしているのか知らない。
聞いた話では、UPSとかFedexとか、何社かで分割民営化されているという話を聞いていたので、街中でもUPSのポストらしきものと配達車は見かけたのだが、あんまり良くわからなかった。
コーヒースタンドのおじさんとおばさんに聞いて、壁にあるポストを発見。
結局はがきを2枚出すのに7人の世話になってしまった。

チェックインを済まして搭乗ロビーに向かうと、なぜかまた飛行機の出発が遅れているらしい。
カウンターのお姉さんに聞いても「さあ?」と言うだけでよくわからない。
ただ、「早まるかもしれないよ」との事だったので、そのままロビーで待つことにした。
でも表示はさらに遅くなって10:00出発になっている。9:00出発だったはずなのに。なんだか早起きして損したみたい。

が、結局9:45頃に搭乗のアナウンスがあり、飛行機に乗ることができた。
ただ、滑走路で20分ぐらい待たされたので、飛び立ったのは10:10過ぎだった。
シカゴでJALに乗り換えるのだが、時間はあるのだろうか……?待ち合わせは1時間半ぐらいだったはずなので、ぎりぎりである。

飛行機の中ではアメリカ風卵焼き(固めのオムレツとクレープの中間みたいなもの。どうやって作るのか、何が入っているのかは不明)と、ヨーグルトとバナナの朝食が出た。気張らないところは行きの飛行機と一緒。
一眠りしている間にあっという間にシカゴに着いてしまった。

滑走路に下りてから機内放送で「……とJALと…に乗るお客様は……」みたいなことを言っていたが、よく聞き取れない。
ただ、わかっているのは時間がないということだ。
成田行きの飛行機は12:00出発予定だ。現在時刻11:30。後10分で本来ならチェックイン締め切りだ。
まあ、United Airlineが遅れたことは知っているだろうから、多少は待ってくれるだろう。

ボストンで預けた手荷物を受取所で待つ。
一刻も早く出てきてほしい所だが、そこはアメリカ、なかなか出てこない。
やっと出てき始めた!と思っても、ちょっとずつしかでて来ない。しかも、全然誰も取りに来ない!!
おいおいおい……^^;本当に大雑把だ。

同じ荷物がコンベアを3週ぐらいしたところで、あきらめる。
「このまま荷物も私も置いてきぼりを食らうよりも、私だけでも日本に戻るべきだ! すまん!荷物!」
と、国際線の5番ターミナルへ駆け足で走り始めた。

が、5番ターミナルが良くわからない!
構内表示で「こっち」と書いてあるほうに進んでも、そっちに行くと「こっち」と別の方角が書いてある。
で、そっちに行くと元の場所に戻ってきてしまう。よくみると向うのほうにも同じ表示があるのでそっちに行ってみる。
……以下、3度ほど繰り返し。
時間は11:55!!もうひょっとしたら飛行機が出てしまっているかもしれない。
出国手続きなどもシカゴで行うと聞いていたので、真っ青になる。
とにかくJALを信じて空港内を走り回る。やっとモノレールを見つけて駆け込む。
5番ターミナルへ行くことを確認して、乗り込む。

モノレールを降りてダッシュでカウンターに駆け込む。
コートとセーターをしっかり着込んでいるので既に汗だくである。脱ぐ暇もない。
周りから見たらきっと変な人だっただろう。

JALのカウンターに着くと既に乗客の姿はほとんどない。
カウンターの日本人らしいお姉さんに日本語で「東京行きはでてしまいましたか?」と聞くと、「Tsubasaさんですか?」と日本語が返ってくる。
もう、JAL最高!!(T_T)感涙。

まだどうやら飛行機は出ていないらしい。カウンターのアメリカ人のお姉さんが「Go! Go!」とせきたてる。
時間は12:05。
搭乗窓口のおじさんも走る私に「Move!Move! Go! Go!」と声援をくれる。
どうやら出国手続きなるものは存在しないらしい。
警備員のおじさんも野球のコーチみたいに腕をぐるぐる回して「走れ」のサインを送る。
リュックの中にはノートパソコンが入っているがこの際そんな事はかまっていられない。ひたすら走るのみだ。

やがて200mほど走ると飛行機へのボーディングデッキが見えてきた。
改札口のお姉さんが「Everybody is waiting for you. Go on !」と笑顔で迎えてくれる。
飛行機への橋をバタバタと渡って、何とか乗り込むことができた。
あまりに息が切れて座ることもできない。
チーフスチュアードのおじさんがアップルジュースを持ってきてくれた。それを一気に飲み干す。
「大変だったでしょう。もう大丈夫です。」「Thank you!!」とっさに英語が出てしまうのはまだ頭が動転しているからだろう。
席に着くと同時に飛行機のドアが閉められ、滑走路へとジャンボは進み始めた。
本当に私が最後の乗客だったらしい。まにあった!

コートを預け、セーターを脱いで席に座る。
シートベルトを締めると、日本語のアナウンスが流れはじめる。間違いなくJALに乗れたんだと実感が湧く。
でも走り回ったおかげで気持ちが悪い。息が切れてめまいがする。
やがて飛行機は滑走路から空に向かって飛び立った。
シカゴ空港の上を大きく一周して西へと向かう。バンクした飛行機の窓から雪の残るシカゴの町が見える。
Lennyもあの中のどこかにいるのだろうか?
そう思うとまた3週間のアメリカの出来事が頭の中をよぎる。涙が出そうになる。
また来るかもしれないけど、その時までさよなら、アメリカ。


(時差の関係でどこから2/11か良くわからないので、とりあえず続きは2/11分へ……


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