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2001年1月28日日曜日(EST) [出張8日目:Milford, Boston] <その2>


「気まぐれボストン散策(2)」


南ボストン駅を出ると、どうやら右側が海のようだ。
空港は海(川?)を隔てた向こう側にある。初日に空港から海底トンネルをくぐってボストン市街に来たからそうに違いない。果たしてすぐに橋があって、運河があった。古風で粋な橋だ。
橋の途中に青いビニールシートのかかった帆船が止まっていた。入り口の建物には「Boston tea party」と書かれていて、お土産屋さんもある。が、休みのようだ。
ボストンに「ボストン茶会事件」の船があるという事は聞いていたが、あまりに控えめだったのでこれがそうだとは思えなかった。素通りする。(本当にこれがそうだったということは後で地図を買ってから知る)

とりあえず運河から何枚か写真を撮った。
 
右の写真の右端の方に茶会事件の船がひっそりと留めてあった。
古い橋と新しいビルディングの対照がなんとも粋である。

そのまま海のほうへ歩いていったが、だんだん物寂しくなってくる。
人通りも少ないし、建物は荒廃してるし、なんだかマズイ雰囲気だ。とりあえず駅まで引き返す。

改めて駅の売店で帰りの時刻表とボストンの地図を購入する。
でもどこが見所なのかはさっぱりわからない。観光案内本みたいなのもあったのだが、当然英語だったので買う気になれず。
まあ、適当にうろつけば何とかなるでしょ。

駅を出て反対方面へ。
やたらに立派なビルがいっぱい建っている。(上の写真みたいなのね)。ビルの谷間からチラッチラッと高い時計塔みたいなものが見える。が、どこだか良くわからない。とりあえず商店街のようなショッピングモール沿いに歩く。
こっちのほうに行くとケンブリッジ大学があるらしい。
途中のゆるい丘の向こうに続く通りの風景がいかにもイギリス風で趣があった。
シャッターを切る。



やがてそのまま進むと大きな通りの向こうに川が見える。これがボストンのチャールズリバーらしい。
川の手前に雪で真っ白になった公園と、何かのホールのような建物がある。とりあえずそっちに行ってみる。

  

左の写真に写っている丸いドームは野外コンサートステージらしい。正面にはいろんな音楽家の名前が刻んである。
右の写真はこの公園からチャールズリバーの対岸を望んだもの。おそらくこの写真のどれかの建物がMIT(マサチューセッツ・工科大学)だと思う。地図によれば。

公園では犬を散歩させている2人の老人がいた。
老人たちは広場の真中で立ち話をし、犬たちはじゃれて駆け回っていた。
いかにものんびりとした、かつアーバンな生活のひとコマだった。
ただ、それをゆっくり眺めるには少し寒すぎた。川沿いに物凄い風が吹いていて、じっとしていると凍えて歯がガチガチ言う。そういえばミルフォードに比べてボストンは風が強くて寒い。
川があるのと海が近いせいだろうか。

公園を後にして、市街地を突っ切る。
通り2本ぐらい奥に「COMMON」と呼ばれる公園があって、鉄の策で覆いがしてある芝生がある。
馬に乗った騎士の銅像とか、よく刈り込んである庭木などがあった。
この周りのホテルは結構高級そうだ。きっとボストンで一番環境のよい場所なんだろう。少し歩けば川もあるし。

COMMONの1つ路地向かいに高級ブランド商店街がある。
きっと観光客とホテルの宿泊客を狙ったものなのだろう。私には縁がないので通り過ぎるが、大体のブランド品はあったような気がする。幅を広くした元町と言った感じだ。

COMMONの横を通り過ぎてそのまま川と直角に歩いていくと再び人通りが少なくなり、線路の上の陸橋を渡るとさらに町並みがボロくなってきた。でもそれに反比例して人の数はだんだん増えてくる。

ここで面白い看板を見かける。写真を撮り忘れたが、「超級市場」と漢字で書いてある看板がいくつかある。
ははははは。「スーパーマーケット」の事らしい。中をのぞくとその通りだ。
ここら辺は中華街の外れらしい。
なんとなく中華の味が恋しくなったので、ここでかなり遅めの昼食を取る。
お世辞にも普通の旅行者にはお勧めできない。私だって普通の料金で食べれたのかわからない。
日本で言えば国道外れの定食屋といったところか。中には広東語の声があふれていた。味はなかなか良い。
全く普通の中華のチャーハンの味だ。ただし、量はどんぶり2杯半ぐらいはある。
食いきれない分は折に入れてお土産にしてくれた。
愛想はないがなかなか親切である。


真中のネオンと看板のあるところがそうです。怪しいでしょ^^;
良い子は真似しないようにね。

チャーハンの包みをぶら下げて、陸橋を戻ってチャイナタウンのメインストリートの方に戻る。
「パパパパパパパパパン!」と立て続けにアッチコッチで音がする。赤い紙ふぶきが散らかっている。
どうやらチャイナタウンでは旧正月の祭りの真っ最中ならしい。どこの国でも中華街の正月には爆竹と獅子舞が欠かせないらしい。
うまく写真を取れなかったが、白人のゴッツい兄さんが一生懸命獅子舞を舞っていた。
店の中で踊っていた。よく見たらお囃子を叩いているのも白人のお兄さんだ。旗を持っているのも白人。
ちょっと異様な気がしたが、まあ、インターナショナルってことで……。



チャイナタウンの喧騒を後にする頃になると、早いマサチューセッツの夕暮れが訪れてきた。
さらに寒くなってくる。この頃には寒さが結構限界に近づきつつある。
とりあえず駅の近くにいたほうがいいだろうという事で、南ボストン駅に向かう。

と、その時、再びビルの間に先ほどの時計塔を発見!
風景写真を取れる限界の時間も近づいてきていたので1枚撮っておく。


結構きれいに撮れたので大きめで失礼!!

ビルの谷間を上のほうをキョロキョロしながら歩く。ボストンの路地はまっすぐなようで結構まっすぐではない。
なかなか時計塔にたどり着けない。辺りはどんどん暗くなっていく。
ハイウェイの下をくぐってさらに港のほうへ近づく。
辺りはちょっとおしゃれなパブ(イギリス酒場の事だよ^^;日本の「パブ」じゃないよ)が立ち並ぶ。
港の周りはどこの国もおしゃれに作るらしい。ちょうど山下公園の前のとおりのようである。

と、その時ついに時計塔を発見した!!
「Custom house」とプレートが付いている。よく見たら地図にも書いてある。
な~~~んだ、これの事だったのか。近づいてみると結構高い。
でも表に回るとMarriott系のホテルなんだな、これが^^;

たか~~~い。

さて、目標も大体達成したので、あとは電車の時間まで付近をぶらつく。
港の前の小さな公園でカップルに写真を頼まれる。
お~~お~~~チューなんてしちゃって……お幸せに……。

ここにもMarriott系のホテルが建っている。Marriottってミルフォードだけじゃないんだ……。結構有名なホテルグループなのかな?会員登録しておいてよかった♪

寒さの限界で近くのSTAR BACKSコーヒーショップに駆け込む。
あまりにも寒そうだったのか、店の若いお兄ちゃんに「大丈夫?」と声をかけられる。

あったかいコーヒーで息を吹き返して、再び駅に向かう。
と、言っても駅に着いてから1時間近く待ち時間があった。ホールの椅子に腰掛けて電車を待つ。

やがて電車が到着してアナウンスが流れる。
電車に乗り込んで席に座ると寒さと歩き回った疲れから睡魔が襲ってくる。
前の座席にはやたらに生きのいい、ピアスを顔中に付けたお姉ちゃんが仲間と騒いでいるが知ったこっちゃない。
そのまま眠り込んでしまう。どうせ終点まで乗るんだし。

終点の近くでピアスのお姉ちゃんに起こされる。
結構いい奴じゃん。
やがて電車はもとの物静かな駅に到着する。時間は8時過ぎだが、辺りは街灯も少ないせいかどっぷりと暗い。
やっぱりここに比べるとボストンはにぎやかだったんだと思う。「静寂を聞く」とはこの事だと思った。
よく考えてみるとボストンはひっきりなしにジェットの爆音が響いていた。
そうそう、あそこまでうらぶれていないが、どことなく映画「メジャーリーグ」のインディアンスの本拠地、クリーブランドみたいな感じがした。海沿いの新開発・再開発地区は特にそうだ。

約6時間南ボストンの近辺を放浪した。
本当はもっと見るべきものとかあったのかもしれない。
松尾芭蕉も言うように「何事も先達はあらまほしきことなり」だと思った。
ただ、たまにはガイド無しで自分の行きたいように歩いてみる事もいいんじゃないかと思った。

港町にはどこにも同じふるさとモダンさの匂いがする。



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