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FlightLog/2009-11-3

  Flight Log 2009年 11月 3日 - 隙間フライト


日曜日のフライトが強風で20分だったのでリベンジというわけではないですが文化の日も飛行場に行きました。
前日の成田空港のTAFでは「風速20kt、ガスト30kt」となっていた為、今日も強風かなぁ〜と思っていたのですが、起きてからMETERを見ると「7kt」。

……?!

完全に出遅れましたがとにかく行かない事には乗れません。
出足も遅く、例によって練習機は1機まだ入院中の為、今日は日没までに順番が回って来なさそうだなぁ〜と思いつつ、他の機体の準備をしたりしながら待っておりました。

しかし時間が経つにつれ日没前に自分の番が回ってこない公算が益々濃厚に…。

「まあ、そういうこともあらーな。」といつもの通り炭火起こしたり鶏肉焼いたりモチ焼いたり食ったりしながらのほほんと過ごしておりました。
(オマエは飛行場に一体何をしに来ているんだ…(自問))

いよいよ日没直前になり、ほとんど「また来週〜」と思い込んでおりました。

今日の訓練絶望的となった私はといえば、グライダー組の練習が終わったので曳航機のシートをかけたり片づけを手伝ったりしておりました。
機体をロープで係留したりシート掛けたりするのは自分の中ではなぜかとっても楽しい作業だったりするのですが。

訓練機も降りてきまして、ノッコノッコと駐機場へ向かってきました。

で、今日は曳航機パイロットをされていたYMT主任教官殿が、

YMT教官「あ〜…(名前を思い出すのに数秒)、Tsubasaさん」
私「はい。」
YMT教官「(手招きで)チョットチョット」

連れられてスポットに入った訓練機の横に。

YMT教官「今日は文化の日なので、クラブの伝統に従って、来た訓練生は全部飛ぶことになっています。」

(ホンマかいな…?)

もうすぐお日様は西の地平線の彼方に沈もうとしているところですが…。

YMT教官「はい、ベテラン訓練生さんはとっとと降りて、KKI教官はそのままでいいから。」

ほえ??

YMT教官「はい、Tsubasaさん、このスキに1周だけ飛んできちゃって下さい。」

あへ? 飛んでいいの??

ってな事で、飛行場の周りを1周だけできることに相成りました。

時間短縮の為、私が乗り込んでシートベルトしている間にKKI教官がエンジンかけてRWY07までタキシング。
ラインナップした所で操縦を渡され、駆け込み1周の訓練開始となりました。

東の滑走路の向こうには夕暮れ空に浮かぶ真ん丸お月様。
「月に向かって離陸!」とか言ったかどうかは定かではありません。
むしろ唐突に1周できることになって私の心構えの方ができてないぐらいで…。

まだまだ初心者の私の場合、地上にいる間に風を見て、飛行場の場周経路の各辺で「コッチの風だから機首をややコッチに振って…」とかリハーサルしておかないと上空であひょ〜んな状態になるのですが、今日に限ってはその時だけ全くの無風。
(日没前の夕凪ってヤツですかね。)

おかげ様でムズカシイ事は何も無しで離陸。
(上手くできたかということとはもちろん別物ですが。)

200ftでエンジンをフルパワーからちょっと絞って、400ftで補助の燃料ポンプOFF。
利根川上で左に90°曲がって澄んだ空気でハッキリ見える筑波山に向かって尚も上昇。
900ftで水平飛行に移って巡航までスロットルを絞って、トリムを取る。

いつもはこの辺でスロットルが一発で2700回転に入らないとかピッチが水平になっていないとか気を取られている隙に風に煽られてとかでヘロるんですが、こういう時はなぜかキチッと入ったりするんですね。
用意ができていないことから来る緊張感の副作用でしょうか。

新利根川の手前で左に90°回ってダウン・ウインド・レグに。
ちょっと早く回りすぎて川より左に寄ったので右にちょっと修正。

正面には木枯らし1号後の冷たい空気の向こうにクッキリと富士山のシルエットが!

私「富士山ですね〜!」
KKI教官「富士山だね〜!」

見とれている間にレグの中間に来たので急いでプレ・ランディング・チェック。
補助燃料ポンプをONにして高度をチェックするとちょっと高めなので修正。

第三旋回目標の赤白鉄塔の2本先でさらに左90°旋回。
今度の目標は鏡のような水面の印旛沼の真ん中あたり。

左下には空に照らされて光る利根川とアスファルトの滑走路「25」マークが見えます。
急いでいる割にはこういうものが見えてしまうのですね。

滑走路の中心線の延長と機体の軸線が重なる地点に近づくとスロットルをアイドルまで絞り、左90°…未満の最終旋回。
(ちょっと行き過ぎてしまいました。)

軸線を右にずれているので左に直していたらチト高度が高めに侵入してしまった。

川を越えたところでダイブブレーキのロックを外して、そろそろとダイブを開く。
高いのでもっと開く。
開きすぎたのでちょっと戻す。
速度が遅くなりすぎないように機首を下げる。
軸線が外れないように調整する。

そうこうしているうちに機体は道路を越えて飛行場の敷地内へ。

滑走路前の芝生上空で滑走を全体を見るように高さと降下角を確認。
「25」のマーク上であることを確認してダイブ全開。
操縦桿を緩やかに真っ直ぐ引いて、そのまま…そのまま…接地。

滑走の勢いが死んできたところでチョイチョイと車輪のブレーキをかけて、滑走路から出る。

トロトロとタキシングして元のスポットへ戻ってまいりました。
(駐機場の軸線から左に1.5m程ズレていましたが…。)

パーキングブレーキをかけてエンジン停止のチェックリストを実行して、メインスイッチを切って訓練終了。

この間、8分。

今日は訓練に出られず帰るのか〜と思っていたのがわずか8分ではありましたが飛ぶことができました。
ありがたやありがたや。
日曜日のモヤモヤも吹き飛ばす事ができました。

無風のクリアな空を、しかも日没前の大変ファンタスティックな空を飛べて、しかも「あちゃー」なミスも無く降りて来れて大変ありがたかったです。

YMT主任教官様、KKI教官様、そして離陸前に無線でツッコまれ、地上に降りるやヘッドセットのケースを機体に置き忘れつつ引きずり降ろされたGSTベテラン訓練生先輩、本当にありがとうございました。
大変楽しかったです。
m(_ _)m


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最終更新日時:最終更新時間:2009年11月07日 22時06分15秒
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