外行きましょう!外!

 

ソロでのタッチ・アンド・ゴーの累積時間が3時間程になりました。
途中どういうわけだか考えて着陸すると性能いっぱいまで高いパスになったり低いパスになってしまったりという時期があったのですが、「滑走路上空1mで水平飛行」を考えると自然とそういう事は無くなってきました。
パスが気になるとフレアをかける「点」だけが気になってしまって、そこから接地までの数秒にうまく結びつかなくてフレアを掛けた後に「早く降ろしたくなってしまう」からだと思います。

大体のパターンとして、教官同乗で3回、で大丈夫だったらソロで3回というような感じなので、約1ヶ月で30分しかソロ時間が増えないんですね(^^;
せめておかわりして1日に2回飛ぶとか、土日両方飛ぶとかできればもうちょっと時間も増えたとは思うのですがそれはお財布が燃えてしまいます。
(タッチアンドゴーばかりなので文章にすると非常にツマラないというか伝わりずらい細かい話になってしまうもので…ブログの更新もできないですし^^;)

セカンドソロの後に「ソロ累計が5時間ぐらいになったら教えてください」と言われていましたが、3時間程で「次?」に行くことになりました。

次のお題は「5nm圏内をうろつく」です。
これは自分のベース飛行場の近くの地理に慣れるという事と、トラフィックパターンへの出入りに慣れるという目的があります。
と言っても大利根は北には竜ケ崎飛行場、東には成田空港のPCAがあるので、実際は南と西でウロつく事になります。

まずはKBY教官の同乗の時に西から南にかけての5nmの地上目標を教えて頂きました。

西は言わずと知れた「栄橋」。自宅の近くです。
でも正確には飛行場から西南西ぐらいなので、真西だともうちょっと西まで行けますが、小貝川はアウトです。
そこから布佐駅上空を経由して、JOYFUL本田のちょっと北東(小林牧場のオーバルとJOYFUL本田の中間のややJOYFUL寄り)を通り、その先は大体北総鉄道の線路が5nmです。
(うまい具合に大利根から5nmぐらいの線をカーブしていきます。)

北総鉄道は印旛沼北部調整池を渡り、東岸に佐倉VOR(TYE)があり、これも大体5nmです。
ここが大体南の端。調整池ではない「本物の」印旛沼上空は5nm圏外です。
そこから円周に沿って東に向かうとすぐに成田空港の管制圏になってしまうのであんまりそっちには行かないようにします。

佐倉VORから北に向かうと安食の町があり、利根川を超えると大利根です。

ちなみに、北西5nmは竜ケ崎駅、東の5nmは利根川のどこかです。
東に行く場合はPCAの下、地上700ft以下を飛ぶことになるので大利根のトラフィックを外れたらすぐに成田タワーかTCAにコンタクトすることになるので5nmとか言っているヒマは大抵ありません。

これを書いている現在、利根川南岸の安食台に騒音苦情地域がある為、安食駅方向からまっすぐオーバーフィールドするのは自粛しています。
吹き流しを見たい場合は、若草大橋の南側から川の上を東進し、そこから飛行場上空へ左に曲がってオーバーフィールドします。
左席からだと結構吹き流し見づらいです…。
もしくは先にフライトサービスにコンタクトできて使用滑走路がわかっている場合は、RWY07のロングファイナルやライト・ベース、RWY25のライト・ダウン・ウィンドに入るという手もあります。むしろ訓練以外の機体はほとんどそうやって飛んでいます。

トラフィックへの出入りは諸先輩方にアチコチ連れて行っていただいた時や、過去3回のラリー参加でだいぶ慣れることができました。

(相変わらず駆け足で文章だらけのエントリーで申し訳ないです。)

8月はこれまでラリーの前日とラリー当日の2回飛んでいたのですが、仕事の都合でPGS/MWT検査の日程を後ろにずらさざるを得なかった関係で航空身体検査もその後ろにずれ、大臣判定会議が月に1回なので8月下旬で一旦練習許可証が切れてしまう事になりました。
そんなわけで1ヶ月ですが「訓練」ができなくなってしまうので、せっかくなので外に行ってみる事にしました。
ラリーで大利根のトラフィックの外に行くという事の楽しさを思い出したというのもあります。

さて、外に行くと言ってもどこに行こうか?

飛行用具の袋に入れてある「ヒモ」を取り出してモノサシを使って70nmの印をつけます。
グローブG109Bは巡航で80kt、タキシングや上昇などを勘案して道のり70nmぐらいだったらフライト時間が1時間に収まるかと(^^;
…いや、本当はナビログ作れよ!と言われるかもしれませんが「今日はお遊び!」と決めていたのでご勘弁を。

成田の南を東に下って九十九里の海を見に行くか~とか、幕張から海ほたる行って帰って来るか~とか、北関東方面に行ってくるか~とか迷いましたが、自分の勤めている会社の近所にある東京タワーへ行くことにしました。

そうするとルート的に問題になるのは自衛隊下総基地の管制圏と、東京江戸前にどっかり広がっている羽田空港のPCA。

下総は経験上、土日なら大体通してくれます。通れなかったら北側の利根川上空を柏の葉キャンパスのあたりまで迂回します。
羽田の北側のPCAはかなり大きく、下総基地管制圏の南半分の上空まで張り出しています。
かつ、皇居の上は飛行自粛なのでスカイツリーからPCAと皇居の間…八重洲を飛ぶことにしました。

帰りは…羽田の管制圏の南を回って海ほたるというのも考えましたが、海の上には目標が無くてGPS無しではちょっと怖いのと、距離的に時間が1時間に収まらなくなると思われたので断念。
とすると、東京タワーから一旦スカイツリーに戻って、中川と荒川の間の「ぐねぐね川」を渡ってから市川を通って総武線沿いにPCAをくぐって幕張に向かう事にしました。
(以前HROさんにタンデムファルケで連れて行って頂いたコースなので通った事あるし^^;)

今日の担当教官が決まる前でしたが、贅沢盛り込みまくって以下のようなプランを考えました。

大利根 - 栄橋 - 下総基地(RJTL) - 松戸 - スカイツリー - 東京タワー - スカイツリー - 市川 - 幕張 - 大利根

紐測定で大体70nm。

今日の担当教官になったKKI教官に確認したところ、「良いんじゃない?」という事だったので、次はコンタクトする周波数を確認していきます。
大利根離陸して栄橋までに東京INFOにコンタクトしてフライトプランのオープン。
栄橋から下総TWRにコンタクトして管制圏通過の許可をもらって松戸へ。
下総管制圏抜けたら東京TCAにコンタクトしてレーダーアドバイザリーを受ける(スカイツリーは小型機の人気スポットですからね…。開業当初程ではないですが。)
で、最後幕張から北上して印旛沼上空あたりでTCAサービスをターミネートして大利根フライトサービスに帰る。
幕張-大利根は視程が良ければ普通に見える距離ですし、途中に障害物があるわけではないですが茨城県南部の飛行場から大島方面に抜ける機体が良く通りますし、一応習志野駐屯地はスカイダイビングのエリアなので注意は必要です。
メモ用紙に周波数と局名と通信目的、それと飛行場直近の佐倉VORの周波数をメモしておきます。

「んではプラン書いてください」
プラン用紙を出して必要事項を記入していきます。
「JA2351、V(ビクター)・G(ゴルフ)、G109B(ゴルフ・ワン・ゼロ・ナイナー)/L(スラント・リマ)…」
ほとんどお経の世界ですがちゃんと意味はあります。前に同じ機体で誰かが出したプランの経路以外を写すという事もできますが、自分で書くという事は自分でCABに電話連絡してプランをファイルする事がほとんどなので、ちゃんと頭の中で唱えながら書かないと電話口で詰まります。
それと、ファイルした後にCABの方がリードバック(復唱)してくれますが、何と読むかわからないと正しく伝わっているかわかりません。

記入してKKI教官に見て頂いたところ、「DEP/DEST=(RJAH)OHTONE」が抜けてました(^^;

チェックOKでしたので電話してファイルしてもらいます。
緊張しますが「慣れ」の世界でもあります。
プランを伝えてリードバックの前にCABの方が「所要時間1時間となっていますが、合っていますか?」と聞かれました。
「?、はい、1時間です。」なんだろう?1時間じゃ届かない距離…?でもないよな。
後は普通にリードバックされました。

後から聞いたところによると、フライトプランの「経由点」が多かったのでもっと距離が長いプランだと勘違いされたようでした。
目安として15分に1つ程度の経由点をプランで提出するのが良いようで、7個も経由点を言ったので2時間ぐらいかかると思われたんでしょうね。

後は用意をして出発します。
RWY25で離陸してストレートアウト。若草大橋を超えてブレイク・トラフィックを宣言してそのまま下総に向かいます。
周波数を東京INFO(成田)にセットしてフライトプランのオープンをします。
オープンが終わると栄橋がすぐそこなので今度は下総基地のタワーに連絡します。
栄橋を超えると2分足らずで下総管制圏です。

「下総タワー、JA2351」
「2351、ゴー・アヘッド」
「2351、7マイル・イースト・オブ・ユー。ワン・サウザンド・スリー・ハンドレット、クライミング。リクエスト、クロス・コントロールゾーン、ウエスト・トゥー・イースト」

あ、間違えた!

「2351、ウエスト・トゥー・イーストですか??」
「コレクション。リクエスト、クロス・コントロールゾーン、イースト・トゥー・ウエスト」

昔から左右とか東西とか口に出すと間違えるんです…orz

「2351、クリアード・クロス・コントロールゾーン。リポート・エンタリング・コントロールゾーン」
「ラジャー、リポート・エンタリング・コントロールゾーン」

実はこの時にタワーからエリアのQNHとか、他にトラフィックがいない事なども通報されていましたが、リードバックしきれませんでした。
耳には入っているんですが、理解できるまでに一瞬時間が空いてしまい、スムーズに返せないんです…orz

KKI教官「この場合は『入域許可が出た事』と『エリアQNH』は最低限リードバックするべきだろうね。」
との事。入域許可は「許可」なので必須の確認事項、エリアQNHは圏内の全ての機体はこのQNHを元に高度を見て飛ぶのでみんなで合わせておかないと危険なのです。

KKI教官がサクサクッとDMEを下総のTACANにあわせてくださいまして、「これで下総からの距離だからね~」と。
TACANがある事とかすっかり忘れてました~。「松戸市街地は西の端」と見ていたのでDME使えるならその方が正確ですもんね。

KKI教官「で、松戸のHDGどっち?」
…えーと、調べて来ていませんでした。(本当にお遊びモードで申し訳ないです。)
とりあえずスカイツリーはこの時点でも見えますが、松戸の市街がどれだか確証が持てません。

KKI教官「こういう時は大きなところから絞り込んでいく。まず左に下総の滑走路があって、右側に利根川があって、西に進んでいるんだからこの範囲にいる、と。松戸の目印は競輪場かな。あと、目印になる八柱霊園も探しておかないと。」

なるほど。

チャートを見ると下総基地から見てスカイツリーよりも5度ぐらい西に松戸があるようなのでそのあたりを目指します。
DMEの距離計がだんだんと増えて行ってそろそろ西5マイルかなぁ~という頃になります。
大き目な駅は見えますが、松戸かどうかわかりません。キョロキョロすると足元に大きなオーバルがありました。松戸競輪のようです。
大体方向は合ってたという事ですね^^;

下総基地に5マイル・アウトを通報して周波数変更の許可をもらいます。
次に東京TCA(羽田側)にコンタクトしてレーダーアドバイザリーをリクエストします。
高度はおおむね2000ft。スカイツリーよりはちょっと低いです。

松戸の西側は川と線路がいっぱいで、このあたりで線路や川や橋を目印にするのはちょっとしんどいかもしれません。
(私は鉄道の知識は大して無いので…。)

スカイツリーの西を南下すると隅田川下流の聖路加病院が見えます。
隅田川は個性的な橋がかかっていたり、浅草にアサヒビールの本社があったりで良い目印になりますね。

ここからあまり東に寄ると羽田のPCAにかかってしまいますし、西に寄りすぎると皇居の上を通ってしまう事になるのでちょっと慎重に飛びます。
KKI教官は右席でGPSを見ていますが、東京駅とJRが右足元に見える位置をキープして飛べばPCAと皇居の隙間を飛ぶことができます。
目の前には東京タワーがあるのですが、スカイツリーを見た後だと目立たないですね…。
周りのビルも大きいですし、そもそも1000ftちょっとですから、2000ftから見たら結構下です。

皇居を通り越したら芝公園の手前で西に振って、東京タワーの南側を回りながらタワーの東側へ折り返します。
ここも結構羽田の5マイル北西ギリギリなのであんまり海に寄ってはいけません。
日比谷通りから国道15号までの日比谷通り側上空を北に折り返します。
今回のフライトの目的の仕事場の写真もここで撮影。ビルがいっぱいで上空からうまく見つけられませんでしたが、なんとか画像に収めることができました。


東京タワーと芝公園、その向こうにちょっとだけスカイツリー


品川駅から右端に羽田空港 5マイル…とは思えない迫力


会社はこの中のどこかです(笑)

今来たコースを一旦スカイツリーまで戻ります。
スカイツリーを右に見ながら通り過ぎて、水元公園の手前で右に曲がって市川を目指します。
1500ftぐらいでPCAの下をくぐりたいので高度を落とします。
市川は八幡の駅前に大きなビルが建ったので良くわかります。

TCAにPCAの下をくぐる事を伝えます。
「下総の管制圏を通過しますか?」と聞かれましたが、市川から幕張に向かう事を伝えました。
羽田の滑走路の都合であまり海岸沿いには出てほしくない旨を伝えられました。
(TCAにしてみれば私達が下総を通って北東に行ってしまえば気にする対象の小型機が減って気楽だったのかもしれませんね^^;)

錦糸町上空から総武線沿いに東へ向かいます。
ここもPCAと下総管制圏に挟まれた隙間です。
低めの高度で総武線の線路に沿って飛べば一応大丈夫なはず。
ここでもKKI教官がGPSで確認していたので…「うわー」とか「ちょちょちょちょ」とか言わなかったので多分大丈夫だったんでしょう(^^;

そのまま津田沼上空に差し掛かった頃に羽田が忙しそうなのでKKI教官と相談して、幕張まで行かずに津田沼から下総の管制圏のすぐ外をショートカットして大利根に帰ってきました。
北部調整池上空でランディングインフォメーション聞いて、若草大橋の西を通り過ぎながら高度を落としてライト・ダウンウインドへ。
プロペラピッチを戻してランディングチェックをしてダウンウインドコール。後は普通にフルストップして終了となりました。

8月はラリーに始まりナビにも行ってお外に行く月間でした。